11月「園長室だより」より
2024.11.01(金曜日)
園長室だより11月号 2024.11.1
実物体験の大切さ
年長さんのお泊り保育で、恒例のスイカ割を見ていた保育部の子どもたちに、「あれがスイカだよ」と説明したところ、よく分からなかったようです。ところが、割れたスイカを子どもたちの食べる大きさに包丁で切ったところ、「あっ、すいかだ」と口々に言いました。(年長さんになったら、スイカ割りがあります)
園だよりでお知らせしましたが、敏感期の幼児にとって、実物の体験はその後の成長にとって大きな意味を持つようになります。
小学生や中学生になって、理科などいろいろな教科の学習で、体験が豊富かどうかで理解に差が生じることもあります。
例えば、先生が「スイカのようなものです」と子どもに説明されたとします。スイカをカットしたのもとしてとらえている子どもと、丸いスイカを知っている子どもとでは、先生の説明の理解ととらえたイメージも全く異なったものになってしまいます。
写真はネットより
夏、家族の川遊びでスイカ割りなどのスイカに関する体験の多い子どもたちと、全く経験のない子どもたちがいたとします。この子どもたちに、夏と言ったら何が浮かびますかと聞き、両グループと子どもたちが"スイカ"と答えたとします。
それでは、夏のスイカにまつわることを 話してくださいと聞いたとします。スイカ割の体験のある子どもたちは、そうでない子どもとたちと違って、河原の様子やドキドキ感など当時の状況を、豊かな物語として話せる素材をいっぱい持っていると思います。それは表現力にも現れ、状況を豊かに表現できます。
10月下旬に、園外保育で年長さんは大分市の"うみたまご"に行きました。
テレビや絵本で見るのと違って、水槽で泳いでいる魚、巨大なエイ、アマゾン川に生息しているピラニアや全長2m以上にもなるピラルクの雄姿、砂の巣からくねくねの線香みたいに動くアナゴ類などに、驚きをもって観察していました。
特に人気があったのは、ペリカン・セイウチ・イルカでした。中でもセイウチの様々なパフォーマンスには驚くばかり。調教の方とまるで会話しているようなパフォーマンスのセイウチに興奮、身を乗り出し食い入るように見ていました。
パフォーマンス後は、セイウチの体を触ることができ、手など五感を通してセイウチの息遣いや肌触りなど多くを感じ取ることができました。
子どもたちにとって、実物を見ることはとても貴重な体験となりました。
セイウチの体を触る園児たち