今の時期、ドライブでよく目に入るものに柿があります。朱赤になった柿の実が鈴生りになっている風景は秋を実感させます。先日、柿の風景からふと目を移すとソバ畑が広がっていました。一面に咲いた白い花は清楚で、現実から離れて心が洗われる思いがしました。

　　　　ネットの写真から

　その時、脳裏に浮かんだことがありました。それは、都会で育った或る人が地方に出かけたとき、案内者からソバ畑を指して「あれがソバです」と言われ、ソバはどんぶりに入っているあれではないのという、嘘か本当か分からないような話です。

　スーパーでも、切り身の魚やタコ、切ったスイカやメロン、牛肉や豚肉など、本来の形と違うものが並んでいます。抽象的な思考が未発達な幼児期の子どもにとって、実物を見て実物と言葉とが一致するという体験はとても大切なことです。一緒に買い物しながらお子さんと話したり、時には実物を見に出かけたりするなど、体験が増えれば子どもの世界はより豊かになっていきます。